2009年度卒業(受験コース・理系)
金子真之さん
埼玉大学大学院修士課程2年
パナソニック内定
―金子さんは、パナソニックに内定したそうですね。そこに至るまでの道のりをうかがっていきます。まず、駒大高校に入学したきっかけは何でしょうか。
金子:世田谷区在住でしたので、塾で「近くにあるし、いい学校だよ」とすすめられて学校を訪れたのがきっかけです。きちんとしていて、勉強もしっかりできそうで、校風が自分に合っているなと思い、志望校に決めました。推薦では内申が足りなかったので、一般入試の第一志望優先制度を利用し、合格しました。
―入学後、すごく学力が伸びたとうかがいました。
金子:そうですね。1年生最初のテストでとてもいい順位が取れたことで、「いけるんじゃないか?」という期待感が芽生えました。入学前は、駒澤大学に推薦で行くことも視野にあったのですが、これがきっかけで、受験コースに進むことも考え始めました。駒大高校では、1年生は皆同じコースなので、色々迷えるのがとてもいいところだと思います。入学試験の結果などで入学前にあらかじめコースが決まってしまうと、「自分はこんなもんだ」と思ってしまい、可能性が伸びないことが多いのではないでしょうか。
それから、放課後に設置されていた「発展講座」も受験コースに目が向いたきっかけになりました。私は数学が得意だったので、さらにハイレベルな勉強がしたくて数学の発展講座をとったんです。受験につながるような高度な数学を学びながら「自分よりもっと数学ができる奴はいないか」とライバルを探すのが楽しくて、どんどん力がついていきました。
―受験コースでの勉強はどうでしたか?
金子:引き続き得意な数学を伸ばすことに力を入れました。2年生の間に、3年生の範囲である数学Ⅲをすべて終わらせよう、と決め、数学科研究室にしょっちゅう顔を出し、先生方を質問攻めにしていました。さぞご迷惑だっただろうと思います(笑)。結果、2年生の間に数学Ⅲを2周し、マスターしてしまいました。同じクラスに、私と同じく国立大学の理系を目指す友人がいたのも大いに刺激になりました。他の科目は先生方に心配されていたんですけど、得意科目の数学のおかげで東京海洋大学に合格することができました。
―でもそこから埼玉大学に編入したんですよね。何があったのでしょう?
金子:私は通信に興味があり、それが勉強できる東京海洋大学の海洋工学部を選んだのですが、私の入学後からカリキュラムが変わってしまい、やりたいことと少しずれてしまったんです。それで一念発起し、埼玉大学の編入試験を受け、工学部電気電子システム工学科に合格しました。学業での実績が認められ、無試験で大学院にも進学することができました。
―そして、パナソニックの内定を決めるわけですが、就職活動がうまくいったのは何が大きかったと思いますか?
金子:面接官には、「君は論理的思考力があるね」と言われました。どのようにしてその力を培ったか考えてみると、やはり大学から大学院にかけて積極的に研究活動をしたことが大きかったと思います。例えば、『Newton』という科学雑誌がありますが、私は大学院時代、大学の先生方と共にこの雑誌の編集委員を務めていました。自ら応募して採用していただいたのです。それからアイディアコンテストに応募し、ビッグデータをテーマにした「生徒を管理する椅子」というアイディアで敢闘賞をいただきました。そのような積極性が評価されたのではないかと考えています。
―その積極性はもともともっていたんですか?
金子:高校1年生で芽生えたと思いますね。先ほどもお話ししたように、1年生最初のテストでいい成績をとれたことで自信がつき、「よし、やってやるぞ!」という気持ちになりました。ここから、勉強や部活動など、何事にも積極的に取り組もうという気持ちになれました。これが私の原点になっています。
―そのほか、評価されたと感じている点はありますか?
金子:コミュニケーション能力を評価してもらえたと思っています。最初に入学した東京海洋大学での経験がコミュニケーション能力を培ってくれました。この大学では、1か月、ずっと船の上で生活するという実習があります。長期間同じ友達と一緒にいますので、チームワークが大切になります。津軽海峡で時化にあった時は、皆で知恵を出し合い、協力してピンチを乗り切るという経験もしました。私にとっては非常に重要な経験でした。高校時代には、居合道部に所属していました。先輩から技を教えていただいた技を後輩に伝える中で、指導力がついたと思います。また駒大高校では、自然と挨拶を交わす習慣がありますので、それも人と接する際の積極性を培ってくれたと感じています。
―駒大高校で得たものも多かったんですね。
金子:そうですね!入学前に思い描いていた通りの学校でした。担任の先生をはじめとした先生方は、優しい中にも厳しさをもち、間違ったことをしたらきちんと正してくれました。チャレンジ精神、コミュニケーション能力、基礎学力を育ててくれたことに感謝しています。
―将来の目標を教えてください。
金子:やるからにはトップを目指したいですね。「何事にも挑戦する」という社風のパナソニックの中で自分を高め、会社に貢献し、日本を豊かにしていきたいです!
―ありがとうございました!大変興味深いお話を聞くことができ、インタビューの間、思わず何度も「すごいですね!」と言ってしまいました。卒業生でありながら、長くキャリアを積んだ社会人と話しているようで、何だか不思議な感覚でした。